古川のひとりごと

朝の五分は、僕のもの

古川太郎 /  / 雑記

いつもより少しだけ早く目が覚めた朝。あの静けさが、僕はわりと好きなんです。

目覚ましが鳴る前に、ふっと目が覚めてしまう朝がときどきあります。二度寝するには惜しいけれど、起き上がるには早すぎる。そんな中途半端な時間が、僕はなぜか嫌いじゃないんです。布団の中で、まだ誰も起きていない家の気配を聞いている。それだけで、なんだか一日が長く使えるような気がしてきます。

外はうっすら明るくなりかけで、田んぼのほうから薄い霧が流れてくる。鳥の声と、遠くを走る車の音くらいしか聞こえません。宮城の北のあたりは、夏でも朝はひんやりしていて、半袖だと少し肌寒いくらい。その空気を胸いっぱいに吸い込むと、頭の隅にたまっていたものが、すっと流れていくようでした。

誰もいない時間っていいな、と思います。やらなきゃいけないことも、まだ始まっていない。ただ自分の足音だけが響く台所で、お湯がわくのをぼんやり待つ。それだけのことが、ちょっと贅沢に感じられるんですよね。

早起きをしたって、特別いいことが起きるわけじゃありません。それでも、世界がまだ眠っている間に自分だけ起きていると、なんだか少し得をした気分になる。きっとそれくらいの、小さな小さな幸せでいいんだと思います。


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