宮城の冬は、ちょっと意地っぱりです。でも、車と一緒に過ごす冬の朝が、僕はわりと好きだったりします。
毎年、十一月の終わりごろになると、そろそろかな、と空を見上げる癖があります。タイヤを夏のものから冬のものへ履き替える、あの儀式みたいな作業。車庫で一本ずつ転がしていると、ああ今年も冬が来るんだなあ、と妙にしみじみしてしまうんです。皆さんは、もう履き替え、済ませましたか。
朝、駐車場に出ると、フロントガラスがうっすら白く凍っていることがあります。慌てて溶かそうとして、お湯をかけるのはよくないと昔教わりました。だから僕は、エンジンをかけて、温まるのをのんびり待ちます。その待ち時間に飲む、自販機の缶コーヒーのあたたかさといったら。手のひらがじんわりして、なんだか少し得した気分になります。
雪の日の運転は、いつもより静かです。タイヤが雪を踏む音だけが、きゅっ、きゅっと聞こえてくる。みんなが少しずつ速度を落として、譲り合って走る。あの静けさの中にいると、急いでも仕方ないな、と肩の力が抜けていくのがわかります。
立派な車じゃなくていい。雪をかぶった軽トラだって、霜まみれの古い相棒だって、ちゃんと走ってくれればそれでいい。手をかけて、付き合って、また一つ冬を越える。そういう時間が、僕はけっこう好きなんです。今年の冬も、ゆっくりいきましょう。