大崎の温泉・銭湯・サウナ

鳴子温泉 旅館すがわら

鳴子・旅館(日帰り入浴) / 古川太郎

鳴子旅館(日帰り入浴)駐車場あり朝営業あり公式サイトありSNS更新中
鳴子温泉街の外れ、湯けむりがゆるやかに立ちのぼる坂道を上がっの写真(出典:www.ryokan-sugawara.com)
写真出典:公式サイト(削除依頼があれば即対応します)

電話する地図で見る公式サイト

  • 鳴子温泉新屋敷5
  • 0229-83-2022
  • 日帰り入浴 10:30〜17:00(変動する場合あり)
  • あり(無料・約30台、先着順/二輪用車庫あり)

鳴子温泉街の外れ、湯けむりがゆるやかに立ちのぼる坂道を上がっていくと、木の格子と暖簾の落ち着いた玄関が目に入る。ここが鳴子温泉旅館すがわらで、JR陸羽東線・鳴子温泉駅からは徒歩でおよそ十分ほどの距離。慶応元年(1865年)創業と伝わる老舗湯宿で、宿泊はもちろん日帰り入浴も受け付けている。館内は木の温もりを生かしたしつらえが基調で、山あいの静けさが夕暮れどきに一段と深まる。大崎市鳴子温泉を訪れる湯めぐり客のあいだでは「まずはあの青い湯を確かめに」と話題にのぼる一軒として、名前がよく挙がる宿でもある。

この宿の看板と言えるのが、豊富な自家源泉と多彩な湯船である。館内には三つの自家源泉から引く九つの浴槽があり、いずれも源泉かけ流し。中でも名物の摩天風呂は、美肌成分として広く知られるメタケイ酸の含有量が鳴子温泉のなかでも高い部類に入るとされ、シリカコロイドの光散乱で湯が青みを帯びる瞬間がある。この現象は「すがわらブルー」の名で親しまれ、加水も加温も着色もしていない自然の変化として案内されている。狙って必ず出会えるものではないため、条件がそろった湯船に浸かれたときの静かな喜びは、湯浴み客の記憶に強く残る。

露天風呂の開放感に加え、温泉熱を活かしたサウナ室、しっかり冷やしてある水風呂と、湯温のコントラストを楽しめる導線が館内には組まれている。清掃時間帯以外なら予約なしで使える貸切浴室が複数あるのも、家族連れやカップルに好まれる要素だろう。ただし日帰り利用の日はどこかの浴場が清掃に入ることが多く、目当ての湯にたどり着けない日もあり得る。受付で「今日はどこが入れますか」と一言確認しておくと、湯めぐりの順路が組みやすい。色・香り・肌ざわりの違いを一軒のなかで飲み比べのように味わえる、そんな贅沢な組み立てが可能な宿である。

廊下を歩けば木造の重厚な梁が頭上に走り、随所に置かれた鳴子こけしや漆器の類がやわらかな照明に照らされている。湯上がりに腰を落ち着けられる休憩スペースや、館内で扱っている温泉土産のコーナーなど、鳴子らしい細部が旅の余韻を引き延ばしてくれる。スタッフの応対も湯宿らしい落ち着いた声のトーンで、日帰りで訪れた客に対しても宿泊客と分け隔てなく礼を尽くす空気があると聞く。鳴子温泉街には多くの宿がひしめくが、そのなかで「歴史・青い湯・貸切の余地」という三点を兼ね備える存在として名前が挙がる一軒でもある。

アクセスは鳴子温泉駅から徒歩十分ほど。車の場合、東北自動車道・古川ICから三十五分程度の距離感で、大崎市街地からも一時間以内で到達できる。無料駐車場と二輪車庫を備えており、ツーリング客を受け入れる態勢が整っている点も大崎市の湯宿としてはうれしいところ。温泉街の坂はやや傾斜があるので、徒歩で向かう際は歩きやすい靴を選ぶと安心だ。鳴子峡や潟沼、鳴子ダムといった大崎市を代表する景勝地との距離も近く、季節に応じて紅葉狩り、新緑散歩、雪見の湯と組み合わせられる。中心部近くに構える立地の強みが、そのまま旅の自由度になる。

日帰り入浴の受付は10:30〜17:00とされ、料金は通常浴場が大人500円・小人250円、うるおいの湯は大人700円・小人350円と案内されている(時期により変動あり)。混雑しやすいのは土日祝と紅葉ピーク、そして連休期間で、この時期は入湯待ちが発生する場面もあるので時間に余裕を持って向かいたい。タオル類の販売やレンタル、館内での食事や休憩室の扱いは季節ごとに運用が異なる場合があるため、遠方から向かうなら事前に0229-83-2022へ電話を入れておくと計画が立てやすい。鳴子は宿の多くが日帰り湯を受け入れる湯どころで、はしごを楽しむ場合の起点にも据えやすい。

通の使い方をひとつ挙げるなら、青い湯を狙う人は光量が十分な日中の明るい時間帯を選ぶと良い、という点。湯の花を静かに観察したい人は平日午後の空いた時間帯が向いている。雪見の湯と青みがかった湯を同時に楽しめる冬は、他所ではなかなか味わえない情景として鳴子ファンのあいだで語り継がれてきた。宿泊で泊まると朝の澄んだ光のもとで再び湯の色に向き合う時間が持て、日帰りでは追い切れない湯の表情を捕まえられる。何度も訪れて微妙な色の違いを追いかける愛好家がいるほど、湯の顔は日ごとに変わる。

季節による楽しみ方の幅も、この宿ならではのもの。春は雪解け水の名残で川の音が力強く、山桜が坂道を淡く染める。夏は蝉時雨のなかで露天の岩に腰かけ、風を受けながら湯に浸かる時間が心地よい。秋には鳴子峡の紅葉が湯上がりの散歩道を彩り、宿の窓から見える山肌が一日ごとに色を深めていく。冬はしんしんと雪が積もり、白と青のコントラストが「すがわらブルー」の言葉を目の当たりにする瞬間を作る。湯の色は季節と光と天候の重なり合いで決まるので、いつ訪ねても違う顔に出会える。

鳴子は大崎市の温泉文化を象徴する土地で、県外の客人を案内するときには「まず鳴子で湯に浸かってから」というのが定番の口説き文句になる。旅館すがわらは、湯の色が変わるという体験そのものが記憶に残る宿で、ただ温まって帰るだけでは終わらない奥行きがある。歴史ある温泉街のなかで湯守として長く商いを続けてきた一軒に足を運ぶことは、大崎市の外から来た人にとって、この土地の湯文化を一度で腑に落とすいい機会になる。派手さよりも継続の重みで語られるべき宿だと個人的には感じている。

周辺との組み合わせも組み立てやすい。鳴子温泉駅前の食堂やこけし店、共同浴場、湯めぐりチケットで巡れる他館との連携で、一日を鳴子だけで使い切ることができる。少し足を伸ばせば鳴子峡の絶景、潟沼のカルデラ湖、鳴子ダムなど、大崎市が誇る自然の見どころが待つ。冬季は道路の凍結や積雪への備えが必要になるため、車で向かうならスタッドレスタイヤなどの装備を前提にしておきたい。鳴子温泉ならではの湯・食・景色の三拍子を、旅館すがわらを起点に組み立てていけば、宿を出るころには大崎市鳴子温泉という土地の輪郭が輪郭ではなくなっているはずだ。

最後に一点、この宿を訪れる人にお願いしておきたいのは、湯の色を追いかけるあまり撮影ばかりに気を取られないでほしい、ということ。青みは肉眼で見たときにこそ最も印象深く、レンズ越しでは輪郭が薄まる場面が多い。まずは目でしっかり湯を見つめ、鼻で湯気を吸い、指先で湯温を確かめてから、余裕があればカメラを構える。そういう順序で湯と向き合うと、この宿が長く受け継いできた「湯を味わう」という言葉の意味が体で理解できるはずだ。大崎市の温泉文化の入口として、これほど分かりやすい教材はそう多くない。

店舗情報

住所
宮城県大崎市鳴子温泉新屋敷5 地図で見る
電話
0229-83-2022
営業時間
日帰り入浴 10:30〜17:00(変動する場合あり)
駐車場
あり(無料・約30台、先着順/二輪用車庫あり)
公式サイト
www.ryokan-sugawara.com で見る
SNS
Instagram

※営業時間・定休日・メニューなどは変わることがあります。最新情報とご予約は各店の公式のご案内でご確認ください。 記載の誤り・修正・削除のご依頼は 運営者情報 からどうぞ。


鳴子周辺・大崎のほかの温泉・銭湯・サウナ

鳴子エリアの近くのお店

鳴子のお店・施設をすべて見る

用途別で似た条件のお店を探す

朝から営業のお店 / 夜遅く営業のお店 / 駐車場のあるお店 / 家族連れ向け / 雨の日の候補 / 用途別ガイド一覧

大崎の温泉・銭湯・サウナ一覧へ戻る / お店・施設一覧のトップ