大崎のラーメン

よし乃や食堂

鳴子・ラーメン/食堂 / 古川太郎

鳴子ラーメン/食堂駐車場あり夜遅く営業公式サイトあり

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  • 鳴子温泉字新屋敷47-2
  • 0229-83-3350
  • 昼〜夕方(11:30頃〜18:30頃)を中心に営業とされる。サイトにより11:0
  • 月曜が定休とされる(変動の可能性あり)
  • 店舗前に3台程度。混雑時は近隣の湯めぐり駐車場等の利用が推奨

湯けむりと硫黄の匂いが漂う鳴子温泉駅前を東へ進み、県道百七十号沿いの陸橋をくぐると、三叉路の脇に赤い暖簾が下がった食堂が見えてくる。「よし乃や食堂」は、宿場の並びの中では控えめな佇まいで、看板の文字も派手ではない。それでも湯上がりの浴衣客や地元の作業着姿が引き寄せられるように暖簾をくぐっていく光景があり、鳴子温泉街の生活と旅の交差点に位置していることが自然と伝わってくる。宿の会席とはひと味違う、日常の一皿を求める気持ちに応える店だ。

看板メニューは、ニンニクと香辛料を効かせた「醤油ラージーメン」、通称ラージャーメン。大崎から石巻方面まで広く分布する在来系ラーメンの一種で、店ごとに具や辛さの配合が違うのが特徴だ。ここの一杯は、鶏ガラと豚骨を合わせた土台の醤油スープに、豆板醤系のピリ辛と炒めた挽肉、豆腐や野菜が乗る構成。麺を啜ると、湯で温まった体に唐辛子とニンニクの香りが染み込み、じんわりと汗が引くように熱が抜けていく感覚があるとされる。冬の湯上がりに合わせて設計されたような一杯だ。

ラージャーメンの他にも、中華そば、チャーハン、カツ丼、焼きそば、野菜炒め定食など、町の食堂らしい定番がしっかり揃っている。寒冷地の郷土食である「凍みっぱなし丼」まで供され、鳴子の食文化に触れる入口としても機能する。凍みっぱなしとは、豆腐や大根を冬の外気で凍らせて乾燥させた保存食で、雪深い土地の知恵が丼として現代の食卓に残っているのを感じられる。価格帯は控えめで、単品と定食の組み合わせも柔軟だ。旅の途中で軽く済ませたい日にも、しっかり食べたい日にも合わせやすい。

厨房は少人数で切り盛りされており、注文から配膳までの動きに家庭的な素朴さがある。おばんざい風の小鉢が出てくることもあり、宿の朝食で見慣れたおかずが違う顔で並ぶのが楽しい。接客は必要以上に踏み込んでこず、しかし常連には短い挨拶を交わす程度の距離感を保っている。一人で座っても浮かないカウンター席と、家族連れが囲めるテーブル席が混ざり合い、湯治客の長期滞在者と観光の日帰り客が同じ空間で穏やかに食べる光景が生まれる。鳴子の食堂らしい懐の広さと言えそうだ。

駐車スペースは店の前に三台程度と限られており、混雑時は近隣の湯めぐり駐車場に停めてから歩いてくるのが現実的だ。鳴子温泉駅周辺には湯めぐりチケット利用者向けの公共駐車場が整備されており、車での訪問でも困りにくい。とはいえ温泉街の道は細く一方通行の区間もあるため、初めての来訪では地図を先に確認しておく方が安全だ。冬季は路面が凍結する日も多く、大崎市鳴子温泉までの峠道はスタッドレスタイヤと余裕あるスケジュールが前提になる。

営業時間は昼から夕方にかけての営業と、昼から夜まで通しの営業の両方の情報が公開されており、時期や仕入れ状況で運用が動くことがあるようだ。定休日は月曜が基本とされるが、湯治の繁忙期や連休には変則的な運用に切り替わる可能性もある。旅の目的地としてわざわざ足を運ぶ場合は、電話〇二二九-八三-三三五〇で当日の営業状況を確認してからの方が確実だ。特に紅葉の週末や年末年始、大型連休は営業日の判断が難しいので、事前確認の一本の電話が旅の失敗を防いでくれる。

個人的な使い方を挙げるなら、湯めぐりの合間に一杯だけラージャーメンを啜って、そのまま次の外湯へ向かう組み方が気に入っている。滝の湯や早稲田桟敷湯で身体を温めた後、汗ばんだ状態でラージャーメンをかき込むと、辛味と熱が湯の余韻を後押しして、鳴子温泉での午後がぐっと濃くなる感覚がある。宿の夕食の前に軽く済ませたい日にも重宝する。旅の食は華やかである必要はなく、こうした素朴な一杯がむしろ記憶に残る、そんな認識を新たにさせてくれる店だ。

季節ごとの表情も見逃せない。春先は山菜、夏場は冷やし系の麺、秋は舞茸を使った一品、冬は熱々の煮込みや凍みっぱなし丼といったように、鳴子の四季に合わせた素材が控えめに登場することがある。派手なフェア告知はなくても、常連は季節の入れ替わりを楽しみに通っている印象だ。鳴子温泉街には有名な老舗が並ぶ一方で、こうした町の食堂こそが日々の食を支えているという構図がある。旅人にとっても、その日常の側に触れる時間こそが、記憶に残る旅の輪郭を作ってくれる。

周辺との組み合わせで動線を組むなら、鳴子温泉駅前で湯めぐりチケットを買い、滝の湯・早稲田桟敷湯・鳴子・湯めぐり駐車場を軸に外湯を回った後、よし乃やで昼食、午後は鳴子峡や潟沼、地獄谷までの散策へ足を伸ばすルートが自然だ。鳴子峡の展望台からの眺望は秋の紅葉期に特に評価が高いが、初夏の新緑や冬の雪景色もそれぞれに味がある。食事と湯と景観の三本柱で組む鳴子の一日に、この食堂を組み込むと、旅の緩急がちょうど良く整う印象を受ける。

常連の使い方を眺めていると、この店が湯治文化の日常側を担っていることが分かる。長期滞在の湯治客が数日ごとに顔を出し、宿の食事と町の食堂を交互に使い分けて味変を楽しむ。地元の職人や配達で立ち寄る人が短時間で定食を平らげ、次の現場へ向かう。観光の日帰り客が短い時間で一杯を啜って旅の余韻を持ち帰る。この三層の利用がゆるやかに重なっているところに、鳴子温泉の生活と観光が交わる懐の深さが表れている。

訪問時の注意点として、混雑期には席数の関係で回転が読みにくくなるため、時間を少しずらす工夫が有効だ。土日祝日の昼十二時前後、紅葉期の昼どき、冬の連休昼過ぎは特に読みにくい。開店直後の十一時半前後や、昼のピークが引ける十三時半以降を狙うと、静かに一杯を味わえる確率が上がる。冬季は雪道の運転条件と合わせて時間に余裕を持たせておくと、湯と食事の両方を落ち着いて楽しめる。旅の計画段階で少し余白を残しておくのが、鳴子との相性を良くするコツだ。

歴史との繋がりを最後に添えておくと、鳴子温泉は江戸期から続く湯治の里であり、宿の食事文化と町の食堂文化の両方が育ってきた土地柄だ。豪華な会席と、日々の一杯。両方が並び立つ構造の中で、こうした食堂は湯治客の長い滞在を支える裏方として機能してきた。よし乃やの一杯は、そうした土地の記憶を素朴に受け継いだ一皿として位置付けられる。派手さではなく続いてきた事実に価値を見出す、そんな旅の視点で訪ねると、この店の意味がより立体的に感じられるはずだ。

店舗情報

住所
宮城県大崎市鳴子温泉字新屋敷47-2 地図で見る
電話
0229-83-3350
営業時間
昼〜夕方(11:30頃〜18:30頃)を中心に営業とされる。サイトにより11:00〜20:00の表記もあり、来店前の確認推奨
定休日
月曜が定休とされる(変動の可能性あり)
駐車場
店舗前に3台程度。混雑時は近隣の湯めぐり駐車場等の利用が推奨される
参考ページ
tabelog.com で見る

※営業時間・定休日・メニューなどは変わることがあります。最新情報とご予約は各店の公式のご案内でご確認ください。 記載の誤り・修正・削除のご依頼は 運営者情報 からどうぞ。


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