大崎の道の駅・直売所

大久商店 山の幸直売店

鳴子・産直・山の幸直売 / 古川太郎

鳴子産直・山の幸直売駐車場あり朝営業あり公式サイトあり

電話する地図で見る詳細ページ

  • 鳴子温泉鬼首字轟18-1
  • 0229-86-2539
  • 10:00〜17:00頃とされる(変動あり)
  • 不定休とされる(山間部のため季節・天候で変動あり)
  • あり(国道108号沿い・車でのアクセス可)

鳴子温泉郷のさらに奥、鬼首(おにこうべ)の轟(とどろき)集落まで登っていくと、国道108号沿いに木造の飾らない店構えが現れる。それが大久商店 山の幸直売店で、花山峠方面へ抜けるドライブ客が「この先しばらく店が無くなる」と気付いて足を止める、山あいの直売所兼食事処である。針葉樹と畑の風景が続く周囲の中に、看板と幟がなければ通り過ぎてしまいそうな佇まいで建っているが、扉を開けると木の香りと出汁の匂いがふわりと立ちのぼり、確かに山里に着いたのだと実感できる場所だ。

大崎市の中でも最も標高の高いエリアに属する鬼首は、朝晩の冷え込みが古川の市街地より一段厳しい。その気温差が山菜やきのこの風味を深くしていると地元では語られているようで、冬は雪が深く、鳴子ダムを越えて登っていく道中の景色そのものが、すでに小旅行の趣を帯びる。夏場でも標高の恩恵で日陰に入るとひやりとする空気が流れ、蝉の声もどこか涼しげに響く。季節ごとに景色の解像度がまるで違って見えるのが、この直売店へ向かう道のりのおもしろさである。

看板商品は、季節ごとに顔ぶれが変わる山の幸そのものだ。春はふきのとう・こしあぶら・たらの芽・こごみ、初夏はうるい・わらび、秋はまいたけ・なめこ・むきたけといったきのこ類が並ぶ時期があると案内され、それらを使った瓶詰めや水煮、味噌漬けなども棚に置かれる。食事メニューはきのこ汁定食や猪汁定食、山菜そば、岩魚の塩焼きといった山里らしい構成が中心と紹介されており、価格帯は千円前後から二千円台に収まるものが多いようだ。派手な演出はないが、地の食材の持ち味を素直に引き出す味づくりが常連に支持されている。

旬の一品を注文すると、その素材が採れた場所や時期の話が自然にこぼれてくるのも山里の店ならではだ。「今年はきのこの出が遅い」「わらびは轟の日陰でよく育つ」といった一言が食卓に添えられると、単に料理を消費する行為が、その日の鬼首の天気や山の状態と繋がった体験に変わる。ジビエの猪汁や岩魚の塩焼きなど、街の飲食店では食卓に上がりにくい素材が、ごく普通の定食として味わえるのもこの店の値打ちで、値段以上の満足感を残してくれる場面が多い。

接客はいわゆる観光地の慇懃さとは違い、鬼首のおばあちゃんの家に上がったような、遠慮のいらない距離感が持ち味だ。注文すると「今日はまいたけがいいよ」「そばは細めで打ったから」と気さくに教えてくれることがあり、山菜の下処理や保存の仕方まで話が広がることも珍しくない。大崎市の街場では聞けない山仕事の話に耳を傾けられるのも、鬼首という土地ならではの体験で、慌ただしく食べて出るのではなく、少しゆっくり腰を落ち着ける時間の使い方が似合う店だと感じる。

会話のなかで教わった「あく抜きは重曹より木灰の方が香りが残る」といった生活の知恵は、都会の料理本にはなかなか載っていない類のものだ。買った瓶詰めの開け方や、山菜そばの汁の残りを翌朝おじやにする使い回しの話まで、聞けば気軽に教えてくれる場面も多い。こうしたやり取りが、単なる食事の記憶に留まらず、鬼首の暮らしぶりの一端を持ち帰る旅の副産物になる。派手な観光施設では味わえない、生活と地続きの時間の流れがここにはある。

立地は国道108号沿いで、鬼首温泉郷、オニコウベスキー場、間欠泉、鳴子ダムを結ぶ周遊ルートの中間点あたりに当たる。駐車スペースは店の前に確保されており、乗用車での立ち寄りに支障はない。古川の中心部からは車でおよそ一時間、鳴子温泉駅からもさらに山を上がる位置にあるため、公共交通での訪問は現実的ではなく、自家用車かレンタカーでの来訪が基本になる。岩出山方面から鳴子・鬼首を経て秋田県境へ抜けるロングドライブの中継点としても頼りになる位置だ。

常連客の多くは、春と秋という山菜・きのこの旬に合わせて年に何度か通うタイプが目立つ。鳴子や岩出山方面はもちろん、古川や三本木の街場から車を走らせて瓶詰めを箱買いしていく話も聞こえてくる。店主が自ら山に入って採ったもの、地元の生産者から集めたものが混在していると案内され、その日そのときにしか出会えない一品が並ぶのが直売店の面白さだ。鬼首の冬は雪が深く、雪解けの遅い年は山菜のシーズンが後ろにずれることもあると聞き、季節と天候に寄り添う商いの在り方が伝わってくる。

訪問時の注意点として、営業時間は10時から17時ごろとされているが、山間部という立地上、季節や天候、店主の都合で早じまいや臨時休業になる可能性がある。特に冬季は積雪の影響を受けやすく、遠方から向かう場合は0229-86-2539への事前確認が安心だ。定休日は不定休と案内され、平日でも山仕事や仕入れの都合で開店が遅れることがあり得る。カーナビは「鬼首字轟18-1」で入力すると迷いにくい。冬季はスタッドレスタイヤの装着が必須で、鳴子から鬼首へ登る峠道は路面凍結が長期間続くため、街場の感覚で向かうと苦戦する場面も出てくる。

鬼首エリアには温泉、スキー場、間欠泉、鳴子ダム、地熱発電所と、大崎市の中でも独立した観光資源が集中しており、大久商店を軸に半日ドライブを組むと過ごしやすい一日になる。春は残雪と芽吹き、夏は避暑と川遊び、秋は紅葉、冬は雪景色とスキーと、四季それぞれに違う顔を見せる土地だ。直売所で瓶詰めや山菜を買い込み、温泉に浸かってから古川に降りるという定番の流れは、大崎市外からの来客をもてなすコースとしても組みやすい。鳴子温泉街に一泊し、翌日鬼首まで足を延ばすプランも、大崎の奥行きを味わうのに向く。

利用シーンとしては、家族で紅葉ドライブに出かけた昼食どき、スキー帰りに冷えた体を温めたい昼下がり、県外の来客を「宮城の山里」に連れて行きたい休日、そんな場面がまず挙げられる。土産に瓶詰めのなめこや山菜漬けを持ち帰れば、旅の余韻が食卓の上で数日間続き、鬼首まで登った価値がじわりと積み上がる。事前に細かい期待を持たず、店に着いてから今日の顔ぶれを見て決める——そんな旅の仕方が、この店にはよく似合うと感じる。

大崎市の暮らしを外側に広げて眺めたとき、古川の市街と鳴子・鬼首の山里とでは、同じ市内とは思えないほど景色も時間の流れも違う。だからこそ、日常の疲れをリセットしたい日には、車を一時間走らせて鬼首まで登り、山の直売店で瓶詰めを買い、湯に浸かって帰るという移動そのものが薬になる。大久商店は、その一日の中心に自然と据えられる存在で、地味ながら大崎市西部の観光と生活を静かに支える一軒だ。今後、鬼首の山の恵みを次の世代へ橋渡ししていく拠点として、こうした直売店がますます大切な位置を占めていくはずである。

店舗情報

住所
宮城県大崎市鳴子温泉鬼首字轟18-1 地図で見る
電話
0229-86-2539
営業時間
10:00〜17:00頃とされる(変動あり)
定休日
不定休とされる(山間部のため季節・天候で変動あり)
駐車場
あり(国道108号沿い・車でのアクセス可)
参考ページ
tabelog.com で見る

※営業時間・定休日・メニューなどは変わることがあります。最新情報とご予約は各店の公式のご案内でご確認ください。 記載の誤り・修正・削除のご依頼は 運営者情報 からどうぞ。


鳴子周辺・大崎のほかの道の駅・直売所

鳴子エリアの近くのお店

鳴子のお店・施設をすべて見る

用途別で似た条件のお店を探す

朝から営業のお店 / 夜遅く営業のお店 / 駐車場のあるお店 / 家族連れ向け / 雨の日の候補 / 用途別ガイド一覧

大崎の道の駅・直売所一覧へ戻る / お店・施設一覧のトップ