大崎の居酒屋・バル

旬菜呑処 こけし

鳴子・居酒屋 / 古川太郎

鳴子居酒屋駐車場あり朝営業あり夜遅く営業ほぼ年中無休公式サイトあり

電話する地図で見る詳細ページ

  • 鳴子温泉字新屋敷26
  • 0229-83-3122
  • 18:30〜21:00頃とされる(24:00頃までとの情報もあり・変動あり)
  • 年末年始を除きおおむね無休とされる(不定休との情報もあり・変
  • あり(約10台)

鳴子温泉駅を降りて新屋敷の細い坂道を上っていくと、湯けむりの匂いに混じって、木と土壁の落ち着いた気配をまとった一軒が見えてくる。「旬菜呑処 こけし」は、古材を惜しみなく使った古民家風の外観が印象的で、暖簾をくぐる前から山里の宿に招かれたような気持ちにさせられる居酒屋である。大崎市鳴子温泉字新屋敷26というアドレスは、湯めぐりの合間にふらりと寄れる距離感で、温泉街のざわめきから一歩内側に入った静けさが心地よい。宵闇が下りるころ、格子窓から漏れる灯りは、旅人にも常連にも優しい目印になる。

看板は、鳴子の山々で店主が自ら採るという山菜ときのこである。春先はこごみやたらの芽、ふきのとうを衣薄めの天ぷらで、初夏はうるいや山ウド、秋になれば香りの立つ舞茸や香茸、なめこが季節の主役として登場すると聞く。予算はおおむね3,000〜4,000円ほど(別途お通し)で、湯上がりに一杯やる夕餉としては無理のない範囲。宮城の日本酒——伯楽星や乾坤一、綿屋といった銘柄をおちょこで飲み比べながら、旬の素材を少しずつ味わう夜の組み立ては、旅の記憶に長く残るタイプの時間の使い方である。

厨房を預かる店主は多くを語らないタイプに見受けられ、山の話を振ったときに初めて口が滑らかになる、といった空気感が漂う。カウンターに座ると、目の前で調理の手さばきが進み、鳴子の四季を目と耳で味わえるのがこの店ならではの体験である。畳の個室は10〜20名ほどが座れる広さで、席数は全体で30席前後とされる。派手な演出はなく、器も飾りすぎず、素材の顔がそのまま皿に出るような料理の運び方が、静かな酒好きにこそ響く仕立てになっている。

宴会需要に応えられる広さと、カウンター・小上がりでの静かな時間の両立が、この店の設計思想のなかで巧みに折り合いを付けている。大人数で入る夜も、二人だけで長く話し込む夜も、同じ屋根の下で無理なく成立する。旅館の夕食を敢えて頼まずに、この店を目当てに湯治滞在の夜を組み立てる客もいるという。地元の常連客と旅人が同じカウンターに並ぶ光景は、鳴子ならではの温かい混雑感を演出する。派手さで勝負しない、けれど確かに記憶に残るタイプの一軒である。

立地は宮城交通の「くるまゆ」バス停から徒歩1分ほど、鳴子温泉駅からも歩いて10分足らずの距離。駐車場は10台分ほど確保されているとされ、大崎市外から車で立ち寄る人にも使いやすい構えだ。鳴子御殿湯や東鳴子から湯めぐりの帰りに寄る人、岩出山方面から一山越えて夕食だけを目当てに訪れる人、温泉宿の食事とは別に地の味を求めて出てくる湯治客まで、利用シーンは非常に幅広い。中心街から少しだけ坂を上る位置取りは、「観光地の喧騒から一歩離れた店で飲む」という体験を成立させる大切な条件になっている。

常連の話を横で聞いていると、通う理由の多くは「鳴子の季節がそのまま出てくるから」という一言に集約される。雪が残る春先の山菜、梅雨の走りに顔を出す川魚、盛夏の冷酒に合わせるみょうがやきゅうり、秋の地きのこの香り、真冬の熱燗と根菜——四季それぞれに合わせて構成が変わるため、同じ客が何度訪れても飽きない懐の深さがあると聞く。素材の来歴を無理に語らず、皿の上で自然に伝えてくれる姿勢が信頼を集めているようだ。同じ品目でも、採る場所や時期でまったく違う顔を見せるのが山の恵みである。

訪問前に一つだけ気をつけたいのは、営業時間の情報が資料により幅があること。18時30分ごろの開店で、21時までとする案内と24時ごろまでとする案内が併存し、休みも「年末年始を除きおおむね無休」とされる一方で不定休の情報もある。電話は0229-83-3122。旅程を組む際は電話で当日の営業を確認してから向かうと安心だ。予約が入っている日は席が埋まりやすい印象なので、二人以上ならあらかじめ一報を入れておくのが無難だろう。宿の夕食を頼んでいない旅館泊まりの日や、湯治で長期滞在中の夜など、「今日はこの店で」と決めて足を運ぶスタイルが似合う。

冬季の来店では、坂道の歩行にも少し注意したい。鳴子温泉の路面は積雪と凍結が重なる時期があり、駅から徒歩で上がる場合は滑り止めのある靴を選んだほうが安心である。宿から浴衣一枚で坂を下るスタイルは絵になるが、真冬の底冷えの夜は羽織一枚に加えて厚手の一枚を重ねる用心が要る。積雪期のドライブで車で立ち寄る場合は、駐車場までの導線と路面状態を宿に事前確認しておくと動きやすい。季節の厳しさそのものが旅情の一部になるのが、鳴子の冬という土地の性格である。

利用シーンを描くと、鳴子温泉の共同浴場「滝の湯」や「早稲田桟敷湯」で湯を楽しんだ後、坂を上ってこの店で夕食、宿に戻ってもう一度湯に浸かる——そんな鳴子らしい一日の締めくくりに、無理なく組み込める位置にある。翌朝、鳴子峡や潟沼、日本こけし館などを回るコースの前夜に、地の素材を体に入れておくと、旅の輪郭がぐっと締まる気がする。長期の湯治滞在中に、夕食を毎晩宿でとる単調さから抜け出して、外で食べる夜を差し込む場所としてもちょうど良い距離感である。

取材で鳴子に上がったときは、湯の後に必ずこの界隈を歩くのだが、この店の灯りを見つけたときの安堵はちょっと格別だと感じる。派手な看板料理を狙いに行くよりも、その日のおすすめを店主に委ねて、地酒とゆっくり付き合う夜が似合う一軒。旅の記憶に静かに刻まれるタイプの居酒屋である。カウンター越しに置かれる小鉢一つ、湯呑一つの佇まいまで含めて、店主の手が届いている印象で、雑な扱いをされないという安心感が客の側にも伝わってくる。

情報環境の面では、大手グルメサイトに情報ページがあり、営業時間帯や席構成の目安を事前に確認できる。ただしネット情報と実際の営業に差が生じる可能性があるため、最終確認は電話で行うのが確実だ。旅程を組む前段階でネットで下調べをしておき、宿泊予約とセットで席の相談を進めておけば、鳴子に着いた当日の夜の予定は自然に固まる。旅館の食事を付けるかどうかの判断も、この店の存在を前提に組み立てるという選び方がある。

大崎市の西側、鳴子・岩出山・鬼首という湯と山の連なりの中で、この一軒は「夜の時間」を担う場所として、静かに確かな存在感を放っている。派手さで勝負しない、けれど確かに記憶に残る、そういうタイプの店が大崎の山の中に今も残っていることは、この地域の食文化にとって大きな意味を持つ。歴史ある温泉街で、地元の山と川の恵みを日々の皿に載せ続ける営みは、鳴子という土地の記憶を未来へつなぐ回路そのものだと感じる。次の季節、次の年、そのまた次の年も、坂の途中で灯りが灯り続けていてほしい一軒である。

店舗情報

住所
宮城県大崎市鳴子温泉字新屋敷26 地図で見る
電話
0229-83-3122
営業時間
18:30〜21:00頃とされる(24:00頃までとの情報もあり・変動あり)
定休日
年末年始を除きおおむね無休とされる(不定休との情報もあり・変動あり)
駐車場
あり(約10台)
参考ページ
tabelog.com で見る

※営業時間・定休日・メニューなどは変わることがあります。最新情報とご予約は各店の公式のご案内でご確認ください。 記載の誤り・修正・削除のご依頼は 運営者情報 からどうぞ。


鳴子周辺・大崎のほかの居酒屋・バル

鳴子エリアの近くのお店

鳴子のお店・施設をすべて見る

用途別で似た条件のお店を探す

朝から営業のお店 / 夜遅く営業のお店 / 駐車場のあるお店 / 家族連れ向け / 雨の日の候補 / 用途別ガイド一覧

大崎の居酒屋・バル一覧へ戻る / お店・施設一覧のトップ