大崎のスイーツ・和洋菓子

菓子舗 にった屋

松山・和菓子 / 古川太郎

松山和菓子駐車場あり朝営業あり公式サイトあり
松山千石の集落道を車で流していると、田んぼの縁に立つ屋敷林のの写真(出典:note.com)
写真出典:公式サイト(削除依頼があれば即対応します)

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  • 松山千石字古代ケ崎31-1
  • 0229-55-2515
  • 8:30〜17:00 ないし 9:30〜18:30 とされる(情報源により差あり
  • 月曜日とされる(不定休の場合あり)
  • あり(3台程度とされる)

松山千石の集落道を車で流していると、田んぼの縁に立つ屋敷林の陰から、ふっと甘い油の匂いが鼻先をかすめる瞬間がある。その匂いをたどって視界に入ってくるのが「菓子舗 にった屋」の暖簾で、旧・松山町を代表する和菓子店の一軒として、古代ヶ崎の一角にひっそりと構えている。国道からほど近い集落道沿いに立地し、株式会社として運営されているものの、看板や外構はどこか昭和の記憶をそのまま抱え込んだような佇まいで、目に入った瞬間に足の速度が緩む。田んぼと屋敷林と古い蔵が織りなす大崎市内陸部の景色を、そのまま饅頭の紙袋に閉じ込めているような、そんな第一印象を与えてくれる店だ。

看板商品は五十年以上作り続けられているとされる名物「揚げまんじゅう」。粉砂糖をまぶした皮の中に、こし餡、白餡、ごま、ずんだ、栗きなこ巻き、チーズと、和と洋の垣根を柔らかく越えた多彩な餡が包まれている。時期によってはブルーベリーや黒糖といった変わり種が並ぶこともあるようで、行くたびに顔ぶれが微妙に違うのが楽しい。ひとつずつ手揚げされ、外はカリッと香ばしく、中はしっとりと柔らかいと評判で、日常のおやつとして手を伸ばしやすい価格帯に収まっている。棚のトレーに並ぶ姿は小さな宝箱のようで、何を組み合わせるかを迷う時間そのものが、この店に立ち寄る楽しみの一部になっている。

揚げまんじゅうのほかにも、上生菓子、饅頭、団子、羊羹、季節の生菓子、進物用の詰め合わせ、法事や祝いの席で使われる菓子まで、昔ながらの町場の和菓子店らしい品揃えが並ぶ。店内に一歩入ると、香ばしい油の匂いと甘い餡の香りが同時に立ちのぼり、注文を伝えるとその場で紙袋に手早く詰めてくれる。派手な接客はない代わりに、常連との会話ににじむ長年の関係性が、松山という土地の菓子屋らしい温度を作っている。「いつもの数で」で通じる距離感の会計が続いている店で、地元の冠婚葬祭の場面で自然に選ばれてきた歴史が、棚の並べ方の細部にもにじんでいるのを感じる。

所在地は大崎市松山千石字古代ケ崎31-1で、JR陸羽東線の松山町駅や小牛田駅から車で数分、国道からもすぐの位置。周辺には田んぼと集落が広がり、旧・松山町の観光動線である松山ふるさと歴史館、松山酒ミュージアム、コスモス園などとも組み合わせやすい配置になっている。駐車スペースは三台程度あるとされ、車での来店に十分対応する。古川市街から車で二十分ほど、鹿島台や涌谷方面からもアクセスしやすく、大崎市の東側を車で回る土産巡りの一軒として自然に組み込める立地だ。田尻や三本木方面からのドライブでも、少し寄り道をすれば暖簾が視界に入ってくる、そんな穏やかな道のりの先にある。

常連の顔ぶれは、時間帯によって驚くほどきれいに入れ替わる。進物や手土産に使う年配層、部活帰りに立ち寄る学生、揚げたての一個をその場でかじる近所の子ども、遠出のついでにまとめ買いする観光客と、それぞれの目的が交差する場所として機能している。お盆や彼岸、正月前などは進物需要が高まり、電話で早めに数を押さえる常連もいると聞く。夏場は溶けやすい素材を扱う生菓子が入れ替わり、秋冬は栗やごま、あんこの濃い味わいが前に出るなど、季節の巡りに沿って店頭の顔が変わるのも和菓子屋らしい楽しみ方だ。棚の色合いが月ごとに移り変わる様子を眺めるだけでも季節を感じられる。

訪問時の注意点として、確実に揚げまんじゅうを手に入れたいなら開店してまもない時間帯を狙うのが定石とされる。週末や祝日は開店直後から地元客が動き、昼前後には売り切れる味が出てくることも珍しくないと案内されている。営業時間・定休日は情報源によって表記に幅があり、定休は月曜が中心とされる一方で、不定休の場合や祭事に合わせて営業日を動かすこともあるようだ。遠方から寄る場合は、電話0229-55-2515で当日の営業と目当ての品の在庫を事前に確認しておくのが確実だ。予約対応の可否や大口の詰め合わせの締切目安も、電話で相談しておくと当日の動きがスムーズになる。

周辺との組み合わせで言えば、松山酒ミュージアム、ふるさと歴史館、松山コスモス園、酒蔵見学などと合わせて回ると、旧・松山町の一日観光がきれいに組める。特に秋のコスモスの季節や冬の酒蔵開放期には、行き帰りのお土産としてにった屋の揚げまんじゅうを持ち帰る流れが自然に生まれる。松山千石の集落道はゆったりとしていて、車を止めて少し歩けば、田んぼの向こうに古い蔵屋敷が並び、大崎市内陸部の昔ながらの風景がそのまま残っていることに気づく。菓子と土地の風景を合わせて味わうと、この一軒のありがたみがより立体的に見えてくる。田尻の道の駅や鹿島台方面と組み合わせた小さな遠出にも自然に組み込める。

季節性の観点で言えば、春先には花見の手土産、夏には冷茶と合わせるための水羊羹、秋には栗や新米を意識した生菓子、冬には正月の祝い菓子や寒中見舞いの詰め合わせと、松山の四季がそのまま棚に映る店でもある。地元の祭事や法事の暦とも密接に関わっており、集落の季節行事と揚げまんじゅうの香りがセットになっているという地元客の記憶は、この街ではごく当たり前のものとして共有されているように見える。派手なメディア露出は控えめだが、五十年以上続く名物というのは、確かな味と信頼関係がなければ成立しない事実で、それがこの店の底力を静かに物語っている。

利用シーンとして相性がよいのは、遠方の親戚宅を訪ねる前の手土産選び、法事の引き出物、地域の集まりで持ち寄る菓子、そして自宅用の週末のおやつまで幅広い。特に、大崎市外から松山へ酒蔵見学に訪れる人が、帰り道に立ち寄って餡違いを何種類か選んで帰るケースは、この店の週末の風景の中でよく見かける光景だ。個包装ではないぶん、家族で開けて分け合う場面に向いていて、揚げまんじゅうを半分に割った断面から立ちのぼる香ばしい湯気を、皆で覗き込む瞬間の楽しさは、他の菓子ではなかなか味わえない種類のものだと感じる。

私が松山千石の集落を訪ねるたびに感じるのは、この土地の穏やかな時間の流れがそのまま揚げまんじゅうの香りに乗って店の中に持ち込まれている、ということだ。米どころ・酒どころとして大崎の内陸を支えてきた地域で、素朴な揚げ菓子が長く愛されているのは、土地の気質と菓子の性格が呼応しているからだと思えてならない。派手ではない代わりに、口に入れた瞬間の香ばしさと甘みが記憶の奥に残る、そういう仕事を続けている店が今も現役で暖簾を掲げている事実そのものが、大崎の日常に厚みを与えている。

地域における役割という観点で言えば、にった屋は単なる菓子店の枠を超えて、松山という旧町域の記憶を保存する装置のような存在にもなっている。祝いの席、法事、季節の贈答、部活帰りのおやつ、コスモス園帰りの土産まで、地域の暮らしのあらゆる場面に静かに寄り添い、そのたびに家族の記憶に一片の香ばしさを添えてきた。地元の菓子文化を語るうえで欠かせない一軒として、これからも松山千石の田園風景と共に、揚げたての油の匂いを漂わせ続けてほしいと願わずにはいられない、そういう静かな存在感を持った店だ。

店舗情報

住所
宮城県大崎市松山千石字古代ケ崎31-1 地図で見る
電話
0229-55-2515
営業時間
8:30〜17:00 ないし 9:30〜18:30 とされる(情報源により差あり・変動の可能性あり)
定休日
月曜日とされる(不定休の場合あり)
駐車場
あり(3台程度とされる)
参考ページ
www.mapion.co.jp で見る

※営業時間・定休日・メニューなどは変わることがあります。最新情報とご予約は各店の公式のご案内でご確認ください。 記載の誤り・修正・削除のご依頼は 運営者情報 からどうぞ。


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