田んぼの畦道の向こうに、鹿島台木間塚の低い屋根並みが続く景色がある。夏場は水面が空を映し、冬場は雪の下で土の色が沈み込む、内陸らしい起伏の少ない風景だ。そのなかにひっそりと事務所を構えているのが、「たけゆきの家」の屋号で家づくりを手がける有限会社高橋建設である。大手ハウスメーカーのモデルハウスが並ぶ都市部の家づくりとは一線を画す、大崎の田園と住宅地が混ざる風土に馴染んだ「町の工務店」らしい佇まいで、看板もことさら華美ではない。
手がけている仕事は、新築の注文住宅からリフォーム、増改築、部分改修まで幅広い。施工エリアは仙台市、大崎市、石巻市を中心とし、地元大崎市と加美郡の工務店有志でつくる「正建会」にも名を連ねている。「住む人にやさしい家」「いつでも帰りたくなる家」という言葉を掲げ、規格化された家ではなく、家族ごとの暮らし方に合わせた一棟をつくる姿勢を打ち出している。営業マンが押しの強い商談を仕掛けるタイプというより、大工・設計・現場監督が近い距離で施主と話す家族的な工務店の空気が特徴と言えそうだ。
個性の中心にあるのは、自然素材を軸にした家づくりである。無垢の床材に使う塗料には亜麻仁オイルを主成分にした「ロハスオイル」、壁や天井には柿渋タンニンを用いた壁材「パーシモンウォール」など、体にやさしいとされる自然素材の塗料・仕上げ材が採用されている。工業製品の便利さを頭ごなしに否定するのではなく、日々素肌で触れる場所にはできるだけ素の材料を、という配分の考え方が窺える構成である。素材見本を並べて、触りながら決めていく打ち合わせが基本になるようだ。
断熱については、建物の外側全体を断熱材で覆う「外張り断熱工法」を採用し、高気密・高断熱で一年を通じて室内温度の差が少ない暮らしを目指しているとのこと。大崎市の冬は内陸特有の底冷えがあり、夏は湿度が上がる。外張り断熱と自然素材の組み合わせは、この気候との相性という点でも合理的な選択肢のひとつとされる。断熱等級や気密の実測値をどこまで開示するかは工務店の姿勢にもよるので、契約前に数字ベースの資料を求めておくと判断しやすい。
つくり手側の雰囲気は、営業主導のハウスメーカー型ではなく、設計と施工が同じ屋根の下で連携する町工場に近い。二級建築士事務所を併設しているため、間取りの相談から工事監理までを分断せずに進められるのが強みである。SUUMOやパナソニックの住まいパートナーズ、タウンライフといった住宅サイトにも登録があり、初見の相談ルートは整っている。木の匂いや自然素材の質感を「触ってみて決めたい」派の施主とは、話がスムーズに転がりやすい相手だと感じる。
所在地は大崎市鹿島台木間塚字西浦21。鹿島台地区は仙台方面へは仙石線・東北本線でも国道でもアクセスでき、大崎市のなかでは仙台通勤圏に含めやすいエリアである。工務店として鹿島台を拠点に構えていることで、大崎市内はもちろん、仙台・石巻方面まで無理のない範囲で現場に入れる導線が確保されている。打ち合わせは事務所での対面が中心だが、現場見学や既築の施工事例訪問など、実物を見ながら判断できる場が用意されているのもこの規模ならではの強みだ。
家そのものだけでなく、家に付随する「暮らしの楽しみ方」を提案してくれるのもこの工務店の顔つきである。ペレットストーブや薪ストーブの導入、さらにはピザ窯のレンタルまで手がけており、火のある暮らしや、家族が集まる住まいづくりに関心のある人にはうれしい選択肢が並ぶ。大崎は薪の入手や煙の環境が整いやすい土地柄でもあり、暖房の主軸に薪ストーブを据えた家という選択は現実的に成立しやすい地域である。
既築住宅の断熱改修や、部分リノベーションで居間だけ薪ストーブ導入、といった相談にも乗れる幅の広さは、この規模の工務店ならではのフットワークと言える。新築を建てるほどの余力はないが、今の家をあと20年住めるように仕立て直したい、という相談も少なくないはずで、そうしたときに、規格商品ではなく現況を見て判断できる相手を1社知っておくと選択肢は広がる。
打ち合わせに行くときの注意としては、営業時間は8時から17時30分、定休日は不定休とされているので、事前予約が前提になる。現場に出ている時間帯は事務所が手薄になることもあるので、電話(0229-56-2341)よりも公式サイト(https://takeyuki-home.com/)やFacebookのフォームで用件を先に送っておくと話が早い。契約前には、既築宅の見学ができるかどうか、標準仕様と追加費用の線引きがどうなっているか、外張り断熱工法の細部仕様、この3点を確認しておくと判断がぶれにくい。
住まいのつくり手を選ぶうえで、地元工務店の強みは「10年後、20年後に何かあったときに相談できる相手が、車で30分の距離にいる」ことにある。大手のアフターサービス網とは違う種類の安心感で、住まいの経年変化を一緒に見守ってくれる関係を築ける可能性がある。鹿島台という拠点の距離感は、大崎市内の施主にとってはこの意味でも扱いやすい配置と言える。
SNSではFacebook(https://www.facebook.com/takeyuki.homecom/)で施工事例や日々の現場が更新されている、と案内されている。実際の家の空気は写真だけでは伝わりにくい部分もあるが、施工中の様子や、完成後の暮らしの断片を眺めておくと、初回の打ち合わせでの共通言語が増える。展示場を持たない分、こうしたオンライン発信と現場見学の組み合わせが、この工務店の「見せ方」を担っている。
利用シーンとしては、はじめての注文住宅を検討する若い家族、実家を継いで断熱をやり直したい世帯、薪ストーブやペレットストーブを軸にした暮らしに憧れる人、既築の水回りだけ大きく手を入れたい世帯、といった幅がある。どの入り口から入っても、まずは事務所で話を聞いて、素材見本や過去事例に触れる、という流れが基本になりそうだ。展示場を持たない工務店との付き合いは、時間はかかるが、決まったときの納得感は違う。
大崎市で「大手ではない、地元の工務店で建てたい」派にとって、一次候補として名前を挙げておきたい一社である。派手な広告や割引攻勢ではなく、素材と断熱、火のある暮らし、地域とのつながりで勝負しているタイプなので、価格の安さだけを軸にした比較には馴染まない。時間をかけて話を聞く覚悟のある施主にとっては、腰を据えて相談できる相手になり得る工務店だと言えそうである。
店舗情報
- 住所
- 宮城県大崎市鹿島台木間塚字西浦21 地図で見る
- 電話
- 0229-56-2341
- 営業時間
- 8:00〜17:30(変動あり)
- 定休日
- 不定休(変動あり)
- 公式サイト
- takeyuki-home.com で見る
- SNS
※営業時間・定休日・メニューなどは変わることがあります。最新情報とご予約は各店の公式のご案内でご確認ください。 記載の誤り・修正・削除のご依頼は 運営者情報 からどうぞ。
